「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の女主人公とヒロインの関係が百合展開と騒がれていますが、脚本が「少女革命ウテナ」の小説を書かれた方なので今後の恋模様が推測できると言われています。今回は改めてウテナもリアタイで見たガンヲタ43年が内容を振り返りつつ、二人の行きつく先を推測します。
「少女革命ウテナ」とは?
概要
「少女革命ウテナ」を知る上で「概要」は必要と思いますので、ウィキペディア(Wikipedia)からの引用ですが以下にご紹介しておきます。
「美少女戦士セーラームーン」(少女マンガ・アニメの革命的作品、ガンダムにも影響を与えたと言われている)シリーズのメインスタッフであった幾原邦彦さんが、少数精鋭のスタッフを集め制作集団「ビーパパス」を結成しました。少女漫画家のさいとうちほさんとタッグを組んだ異色作となっています。「第2回アニメーション神戸テレビ番組の部」で最優秀賞を受賞しました。
男装の麗人、書き割りのような背景、影絵少女達による不可思議な劇中劇。
宝塚歌劇や寺山修司の前衛舞台劇をオマージュしたような独特でシュールな演出が特徴的な本作。
学園という閉鎖世界、薔薇や王子様などの少女漫画的モチーフを中心にして、おとぎ話や古の貴族の決闘、同性愛・近親愛まで多岐にわたる要素を内包している。
劇中で流れる「絶対運命黙示録」などの楽曲は、かつて寺山修司率いる「天井桟敷」にて音楽を担当していたJ・A・シーザーが担当しており、これも本作の独特な世界観を作り上げる要因の一つ。
また、押井守監督の長編アニメーション「天使のたまご」を彷彿とさせるフレーズが作中で見られ、第27話「七実の卵」では影響が顕著に表れています。そのほか、作中で繰り返される「卵の殻を破らねば、雛鳥は生まれずに死んでいく」などの台詞は、ヘッセ著「デミアン」からの引用である。
あらすじ
主人公の少女・天上ウテナは、幼い頃自分を助けてくれた「旅の王子様」に憧れて、自分自身も王子様になりたいと願うようになりました。
彼女は入学した「鳳学園」で、ヒロインの姫宮アンシー(「薔薇の花嫁」と呼ばれる謎の少女)と出会います。
姫宮アンシーをかけて決闘を続ける生徒会役員(デュエリスト達)は、「薔薇の刻印」と称される指輪(天上ウテナがかつて旅の王子様から貰ったものと同じ)を所持していました。
天上ウテナも、この学園内の壮大な決闘ゲームに巻き込まれていき、その背後にある謎「世界の果て」へと迫っていくのですが、まあ色々とあります。
放送は全3クールの39話でした。
以上の4部で構成されています。
「機動戦士ガンダム 水星の魔女」を見た視聴者の中には、
天上ウテナ = スレッタ・マーキュリー(花嫁を守る決闘の勝者)
姫宮アンシー = ミオリネ・レンブラン(力を与える婚約者・花嫁)
と重ね合わせている方もいるようですね。
「少女革命ウテナ」と「水星の魔女」の類似点は7つ
「少女革命ウテナ」と「機動戦士ガンダム 水星の魔女」には以下のような類似点があります。
- 花嫁(婚約者)を決める手段は決闘
- 花嫁(婚約者)は学園理事長の身内(前者は兄妹、後者は父娘)
- 花嫁(婚約者)は植物の手入れをしている
- 花嫁(婚約者)は俺様体質なイケメンに暴力を振るわれている
- この現状を見過ごせずに、主人公が入学初日にも係わらずいきなり決闘を申し込む
- 決闘に勝ってしまい、花嫁(婚約者)とエンゲージすることに・・・
- 学園内の生徒会メンバー(美男美女)にマークされる
と「機動戦士ガンダム 水星の魔女」は「少女革命ウテナ」をオマージュしていますね。
「少女革命ウテナ」の女主人公とヒロインの関係は?(ネタバレ注意)
天上ウテナとは?
幼い頃に自分を助けてくれた「旅の王子様」に憧れて、再会を願っている夢見る少女です。
じつはこの「旅の王子様」が、彼女が通っている鳳学園の理事長である鳳暁生であることに気づきます。
しかし、憧れの「旅の王子様」は・・・
既に婚約者がいる
姫宮アンシー(妹)とも男女の仲
というとんでもない男でした。
しかも、その鳳暁生の誘いを断れず・・・男女の仲になります(トラウマ回としても有名な第33話)。
そして、天上ウテナは気づきました、「王子様なんていない」ということに。
姫宮アンシーとは?
姫宮アンシーは、鳳学園の理事長である鳳暁生の妹です。
しかも、決闘の戦利品である、
「薔薇の花嫁」
としてトロフィーのように扱われています。
自分の意思とは関係なく、ただ男性の勝利者の商品として・・・。
しかし、天上ウテナが決闘に勝ったことで事態が変わります・・・。
二人の関係は?
天上ウテナにとっての姫宮アンシーは「かわいそうな姫」でした。
決闘の戦利品として扱われ、哀れにも思ったことでしょう。
そして、守ってあげないといけないとも。ただ、そこには恋愛感情はありませんでした。
一方の、姫宮アンシーにしてみれば、男性達の戦利品として扱われていた中に、男装の令嬢である天上ウテナが割り込んできました。
これにより、「男性中心の社会」から、「違った世界」への憧れも抱いたことでしょう。
ただ、自分の兄と男女の仲になったことで、天上ウテナへの侮蔑のような感情が芽生えました。
「彼女もしょせん、王子様を憧れるただの女の子・・・」
しかし、「王子様への憧れ」から脱却した天上ウテナは、
「世界を革命する力」(社会規範に縛られた状態から解き放たれる力)
によって、天上ウテナや姫宮アンシーを縛ろうとする鳳暁生を打倒しようとします。
つまり、二人はの関係は・・・
恋愛感情よりも深いところで繋がった運命共同体
のようなものと言えるのではないでしょうか?
「水星の魔女」の女主人公とヒロインの関係は?
前述の「少女革命ウテナ」の天上ウテナと姫宮アンシーの物語で置かれている立場を見て、
「水星の魔女」のスレッタ・マーキュリーとミオリネ・レンブランに似ている
とやはり感じられたのではないでしょうか?
小説版「少女革命ウテナ」を書かれたのが、「水星の魔女」の脚本・シリーズ構成である大河内一楼さんであることは有名です。
故に、「水星の魔女」においてもオマージュ的な要素は出てきてもおかしくはないですよね。
今後の二人の関係の展開は?
女性が女性の婚約者に!
というのは実はそれほど珍しくありません(あくまで2次元の世界では)。
そして、その大半が・・・
利害関係の為のかりそめ
というのもよくあるパターンです。
なので一部期待されていて(そして幻滅されている)「百合展開」は、それほど無いと言わざるを得ないでしょう。
ただ、二人の目標が・・・
スレッタ:水星を豊かにしたい(母の願い)
ミオリネ:自由になりたい(父からの解放)、地球に行きたい(母のトマト?)
など、親の描いたストーリーに乗っかっている、或いは、抜け出したい、ということになっていますね。
そして「アスティカシア高等専門学園」では当たり前とされている、
決闘ですべて決まる
男性が決闘者
という「社会的規範」をぶち破る「革命の力」を発動させる為に、二人は共に戦っていくことになるでしょう。
それは、かつて否定された
「革命の力」になりえた「GUNDフォーマット」並びにそれを搭載した「GUNDーARM」(ガンダム)
を全否定した、レンブラン代表を倒すことで・・・。
レンブラン代表が最後の敵になるのか、或いは、彼を謀殺し権力の座を奪取する「何者か」がそうなるのかは今後の展開次第ですね。
ただ、スレッタ・マーキュリーが「魔女」と呼ばれているのであれば、かつて「魔女」と呼ばれたジャンヌ・ダルクのようにこの戦いを勝利へと導くことでしょう。その勝利とは・・・
水星を豊かな星にする(テラフォーミングは無理でもその周辺施設の強化)
水星に自治権を!(水星帝国?)
水星帝国の初代女王にスレッタ・・・
という可能性もあり、予定されている第2部では、暴走する「水星帝国」への反撃、そしてのその作戦を立案したのが、父を憎んでいたミオリネ・・・。
という展開もあり得ます。
まあ、ここに関してはもうちょっと放送回が進まないと分かりませんが。
第1話から最新話までの総まとめはこちら。