映画『ククルス・ドアンの島』が公開3日で興行収入が約4億円に!昨年は『閃光のハサウェイ』が4カ月で22億円突破という快挙を遂げたので期待できます!今回は歴代ガンダム映画の興行収入を振り返り、作品一覧の紹介と無料で見る方法をご紹介します。
古参ファン(ファースト第一)やニューファンにとってガンダムは揺るぎないブランド力で「10億円突破、楽勝!」(映画で興行収入10億円突破がヒット、30億円突破が大ヒット)と信じて止まないかと思います。
その感覚はある意味正しいのですが、ガンダムの歴史は長いので当然辛い(本当に辛かった・・・)時代もあったのです。
20本近い映画の中で、10億円を突破したのはわずかに5本・・・。そのうち4本は初期の作品でした。1988年を最後に10億円を突破するのは、2021年まで待たないといかないとは・・・。
それでは過去のガンダム映画作品を興行収入やキャッチコピーと共に振り返ってみましょう。
機動戦士ガンダム(1981年3月14日)
1979年のテレビ放映が、視聴率が低いため打ち切られたという事実がウソのような映画化の話。
放送終了後のガンプラ(ガンダムのプラモデル)の人気(ガンダム1/144が300円)と、再放送での高視聴率で実現化したのです。
映画制作の「松竹映画」は「テレビ版43話を1本の映画にしてください」と相談しましたが(ムチャが過ぎる!)、制作サイドから「もう削れません(できるわけないだろ!)」と協議の結果、テレビ版の1~14話を編集することで落ち着きました(第15話の『ククルス・ドアンの島』は削られた)。
タイトルが「機動戦士ガンダム」となったのも(後ろにⅠとか付いてない)、特に続編を出す予定は無く、人気に便乗した軽い気持ちの映画化でした。
しかし、映画はヒットし、社会現象にまでなった為、続編制作が決定しました。
ちなみに、主題歌「砂の十字架」は作詞・作曲が谷村新司さんで、やしきたかじんさんが歌われています。たかじんさんはこれを「黒歴史」と感じていたようですが、関西のガンダムファンは狂喜乱舞でした!
機動戦士ガンダムⅡ 哀・戦士編(1981年7月11日)
前作のヒットのおかげで誕生しました。
テレビ版の16~31話前半を編集した話で、青い巨星ランバ・ラル大尉、黒い三連星(ガイア、マッシュ、オルテガ)やオデッサ作戦、そして復活の赤い彗星シャア・アズナブル登場のジャブローの攻防と熱い戦い満載です。
極めつけは、ジャブローでの戦いで、BGMに主題歌の「哀 戦士」(井上大輔)が流れるシーンは鳥肌もので、カラオケの定番曲になりました。
筆者としては、3部作の中では一番好きで何度も見ましたが、興行収入は3部作では一番低かったようです。前作から4カ月、夏休み前でもありますし、金銭的・時間的に難しかったのではないかと推測します。
機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編(1982年3月13日)
テレビ版の31話後半~43話を編集した話で、舞台は宇宙(そら)です。
有名なコンスコン隊のリックドムが全滅、アムロの父・テム・レイとの再会、ソロモン攻略戦(スレッガーさんの熱いセリフやビグ・ザムの脅威)、ララァ・スンとの出会いと別れ、そして最終決戦である宇宙要塞ア・バオア・クーの戦いと内容盛りだくさんです。
特筆すべきは、作画監督だった安彦良和さん(映画『ククルス・ドアンの島』の監督)がテレビ版では入院中でチュックできなかったラスト10話分の作画を、この映画版の為にすべて新規作画にされました!
この努力も相まって、映画はガンダム史上最大の興行収入を記録しました。
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(1988年3月12日)
今までの3部作はすべてテレビ版の編集だったのに対して、ガンダム初の完全新ストーリーの映画です。
1985~87年と足掛け2年の間放送されたテレビシリーズ「機動戦士Zガンダム」と「機動戦士ガンダムZZ」の続きという形をとっています。
アムロ・レイとシャア・アズナブルの因縁に決着がつく話や、「ロンド・ベル」の総司令官になったブライト・ノア艦長などがでてくる点は評価されますが、新キャラや新モビルスーツが多すぎてテレビシリーズファンを置き去りにしていた感はあります。
大体、「ニューガンダム」を「New Gundam」のような宣伝したのは許せない!「ニュー」はギリシャ文字の「ν」ですから!ちなみに「Z」も英語では無くギリシャ文字で6番目!ガンダムファンなら誰でも知っていた常識を当時のメディアは史知ろうともしなかったようで・・・。
しかも、テレビシリーズの続きなのに、継続性はほぼ無し!精神崩壊したカミーユや木星に行ったジュドーはまあいいとして、ネェルアーガマとか色々出してほしかった・・・(この願いを持った方々が後年あの新作ガンダムを作るわけですが、ユニコーンありがとう!)。
興行収入としてはヒットと呼べますが、総集編のようなガンダム3部作に敗北するいう結果に・・・。ガンダムの時代もこれで終わったのか・・・と当時は感じていました。
機動戦士ガンダムF91(1991年3月16日)
・・・キャッチコピーが寒々しいですが、「ガンダム新時代の第一章」にして続きを制作する話が無くなった映画です。
個人的には「いい映画」だと思いますし、主題歌は森口博子さんで「とてもいい曲」ですし、今見ると非常に良くできた話だと感じます。
ただ、当時は「ガンダムは古い」(今でいうオワコン)と言われ、SDガンダムのお陰でガンダム人気が保てていたような時代です。
アイルトン・セナなどの人気ドライバーが活躍するF1が流行っていたから、「F」と付け、1991年だら「F91」という安直な発想を当時のガンダムファンは冷ややかな目で見ていました。
それでも3年ぶりの映画ということで期待していましたが、まあ結果は散々です。ヒットの条件である興行収入10億円の半分ぐらいしかいきませんでした・・・。
機動戦士ガンダム0083 ジオンの残光(1992年8月29日)
ガンダムOVA(オリジナルビデオアニメ)の第2弾『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』を、映画用に一部新作カットを加えながら再編集した総集編です。
OVAは販売・レンタルと結構ヒットしたので、それを踏まえての映画化ですね。
内容はガンダム版「トップ・ガン」とでもいえる内容で、主人公が初めて連邦軍の正規の軍人(士官学校出たての新米)です。一年戦争後の話ですが、Zガンダムに繋がるストーリーは秀逸!(あの人やあの人も登場!)なので、是非見てください。映画版もOVA版も!
新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 特別編(1999年8月1日)
1995~96年に放送されたテレビ版「新機動戦記ガンダムW」の続編である、 OVA版「新機動戦記ガンダムW Endless Waltz」(1997年)全3話の再編集と新作カットを加えた【ガンダム生誕20周年記念作品】の映画です。
ちなみに余談ですが、このガンダムWは「宇宙世紀じゃないガンダム」第2弾で、アメリカ合衆国で最初に放送されたガンダムシリーズでもあります(この作品がガンダムが世界の一般人にも広く知られるきっかけになりました。世界のガンダムオタクは既に知っていましたが)。また女性ファンも増やしたことでも有名です。
テレビもヒットし、OVAも売れたので映画はあくまでオマケですが、面白いですよ!
機動戦士ガンダム 第08MS小隊 ミラーズ・リポート(1999年8月1日)
1996~99年に発売されたOVA版「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」(全11話)の第1,6,8話を再構成して新作カットを追加した映画です。
新キャラクター連邦情報官「アリス・ミラー」の視点から「シロー・アマダ」の軍歴を監査するという正にレポート形式の物語展開が以外とはまります。
あくまで総集編ですので、これを見つつ、是非OVA版もご覧ください(ボールがザクを倒すシーンは圧巻!面白いですよ!)。
∀ガンダムⅠ 地球光(2002年2月9日)∀ガンダムⅡ 月光蝶(2002年2月10日)
1999~2000年にテレビ放送された「世紀末ガンダム」。「∀ガンダム」(ターンエーガンダム)はシド・ミードという有名な方がデザインされ、ガンダムの特徴である角(V字のアンテナ)が口元についています。通称「ヒゲのモビルスーツ」。
物語は遠い未来だが文明が一旦戻っていて、世界観は中世ヨーロッパのようで、別名「世界名作劇場ガンダム」とも言われています。
当初は、デザイン、世界観があまりにもガンダムらしくない為、古参ファンは特に拒絶反応を起こしていましたが、全50話を見ると、「あれ、以外と面白い」となった秀作です。
映画版は1部を1~27話、2部は28~50話の総集編ですが、テレビ版を見た人用としか思えない「ジェットコースタードラマ」のような展開に一般受けはしなかったようです。結果が億に届かずですから。
まあ、目的がこれでDVDを買わなきゃと思わせる為であれば、ある意味正解だったのかもしれません。
ちなみに、ターンエーも今なら簡単に見れますよ。
機動戦士ガンダム MS IGLOO 1年戦争秘録(2004年7月19日・11月13日)
千葉県松戸市の「バンダイミュージアム」で映画として2004年7月19日に第1・2話が、2004年11月13日に第3話が上映されました。
続編の、「機動戦士ガンダム MS IGLOO -黙示録0079-」の全3話は2006年にOVAとして、「機動戦士ガンダム MSイグルー2 重力戦線」の全3話は2008~2009年にOVAとして販売されました。
機動戦士Zガンダム A New Translation 星を継ぐもの(2005年5月28日)
あの伝説の「機動戦士Zガンダム」が30年の時を越えて、今劇場版として蘇る・・・。
「君は刻(とき)の涙を見るか?」
いや、涙しましたよ、悪い意味で。
新作カットは流石当時の技術レベルのお陰で格段に良くなっていました!しかし、なぜに?どうして?旧セル画を混ぜたような気分が悪くなるようにしたのか?お金か?時間か?折角なのにもったいなかったです(この反省は近年のガンダム映画に生かされていますね)。
興行収入は10億円に届かなかったので、ヒットでは無いですが、それなりの成果を出したのでまあまあ健闘したと思います。もし、この後の2作がもっと売れていればよかったのですが・・・。
機動戦士Zガンダム A New Translation 恋人たち(2005年10月29日)
強化人間フォオ・ムラサメと主人公カミーユ・ビダンとの儚い恋の物語・・・。
う~ん、声優のゆかなさんは好きですけど、やはり島津冴子さんでないフォウには違和感が・・・。
森口博子さんの「銀色ドレス」が無いと盛り上がらないし・・・。
そういうファンが多かったのでしょう、興行収入は1作目を下回りました・・・。
機動戦士Zガンダム A New Translation 星の鼓動は愛(2006年3月4日)
古参ファンを代表して一言、「誰も知らないラスト」は見たく無かったです!
いやいや、カミーユどうして?なんで大丈夫なの?ZZへのつながりも否定するのか?
右肩下がりの興行収入は5億円にも届かず、「コケたガンダム映画」として名高い「ガンダムF91」を下回りました。
そりゃ当然でしょ、ファンの気持ちを無視したら。
Zも好きだが、ZZも好きなんだよ!古参ファンは!
是非、テレビ版「機動戦士Zガンダム」と「機動戦士ガンダムZZ」をすべて見た上で、この映画も見比べてください。
機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-(2010年9月18日)
2007~2008年にテレビ放送された「機動戦士ガンダム00(ファーストシーズン)」、及び、2008~2009年にテレビ放送された「機動戦士ガンダム00(セカンドシーズン)」の続編で、完全な新作ストーリー。
テレビシリーズで謎とされていた「来るべき対話」が明かされた物語。
ガンダムとして見ると、「ウッ」となる古参ファンもいるとは思いますが、SF物として見ればアリです。
興行収入も宇宙世紀では無いにもかかわらず健闘しましたね。
機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY(2016年6月25日)
まだ見てない方は、U-NEXTで見れますよ。
機動戦士ガンダム サンダーボルト BANDIT FLOWER(2017年11月18日)
気になる方は一度見てみてはいかがでしょうか?
機動戦士ガンダム Twilight AXIS 赤き残影(2017年11月18日)
これは唯一見逃していたので、キャッチアップします。
機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)(2018年11月30日)
近年の傑作の一つである、「機動戦士ガンダムUC」の続編ですね。「ユニコーン」は正にガンダムを本当に好きな方々が作った作品で、正当は宇宙世紀を継承しつつも、ちょっとパラレルな感じですが、古参ファンは非常に喜びました。
「逆襲のシャア」や映画版のZガンダムで否定された、ネェルアーガマ(ちなみに意味は「アーガマ」に近い、でもコロニーレーザー級のハイパーメガ粒子砲を装備)の存在を肯定してくれたのはZZも好きな筆者としては感謝の気持ちでいっぱいです。
後付け設定の「ラプラスの箱」も、「THE ORIGIN」の後付け同様、古参ファンでも受け入れられる「ガンダム愛」に満ちたものでした。
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(2021年6月11日)
原作小説をリアルタイムで読んでいた筆者としては、「えっ、まさか」の映画化でしたね。
しかも、歴代第2位の興行収入を達成し、ガンダムの新たなる可能性を示した映画でもありました。
ガンダムは映画には向かないのでは、と言われていたジンクスを破ったたも言えるでしょう!
一部では「ひどい」との声もありましたが、それだけ広く一般の方々にも注目された証拠とも言えますよね。
機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島(2022年6月3日)
わずか3日間で興行収入4億円を突破しました!これはヒットの条件である10億円突破の可能性が高いですね!
或いは、歴代1位の23億1000万円を突破できるかどうか?
追記:
機動戦士ガンダム SEED FREEDOM(2024年1月26日)
追記:
なんと既に歴代興行収入ランキング上位に割り込んできました!
観客動員数も121万人と多くのファンに愛されているようです!
さて、歴代1位は今から42年前の1982年3月13日に公開された伝説の映画、
「機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編」
で当時としては衝撃的な
でしたよね?
後、4億1000万円以上の興行収入を出せば、
歴代1位
も夢ではなくなってきました。
ファーストガンダムをリアルタイムで見て興奮した筆者が、SEEDでファーストガンダムへのオマージュと進化を感じていました。
そんなファーストをリスペクトしていたSEEDの映画が歴代1位を取れば、また新たなガンダムの扉が開くのではないでしょうか?
「ガンダムはオワコン」
と肩身を狭い世界で生き延びてきたガンダムファンとしては、今のこの現状を喜ばずにはいられません。
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ「サン・オブ・ブライト」(未定)
1980年代に小説をもくもくと読んでいた人間にとっては、第1部の映画化は喜びであり、その映画が大成功をおさめたのは歓喜の嵐でした。
あれから2年(2023年6月時点)が過ぎましたが、まだ第2部の公開日は発表されていません。
サブタイトルは「サン・オブ・ブライト」と発表され、小説とはかなり内容が異なると言われていますが、期待できそうです。
ガンダム映画・興行収入ランキング
それでは歴代ガンダム映画で興行収入が億単位になって映画のランキングを見てみましょう。
- 機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編(1982年3月13日):興行収入23億1000万円
- 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(2021年6月11日):興行収入22億3000万円
- 機動戦士ガンダム SEED FREEDOM(2024年1月26日):興行収入19億円(公開10日時点)
- 機動戦士ガンダム(1981年3月14日):興行収入17億6000万円
- 機動戦士ガンダムⅡ 哀・戦士編(1981年7月11日):興行収入13億円8000万円
- 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(1988年3月12日):興行収入11億6000万円
- 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島(2022年6月3日):興行収入10億8000万円
- 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-(2010年9月18日):興行収入は8億6600万円
- 機動戦士Zガンダム A New Translation 星を継ぐもの(2005年5月28日):興行収入8億6200万円
- 機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)(2018年11月30日):興行収入は6億7000万円
- 機動戦士Zガンダム A New Translation 恋人たち(2005年10月29日):興行収入6億円
- 機動戦士ガンダムF91(1991年3月16日):興行収入5億2000万円
- 機動戦士Zガンダム A New Translation 星の鼓動は愛(2006年3月4日):興行収入4億9200万円
「機動戦士ガンダム SEED FREEDOM」は2024年2月5日に公開され、わずか10日間で既にトップ3にランクインしています!